執行猶予と実刑の違い

刑事裁判において裁判所は,法廷で取り調べた証拠に基づいて被告人が有罪かどうか,有罪の場合にはどのような量刑にするかについて、評議をして判決を宣告します。懲役2年の実刑判決とは2年間刑務所に入って、その間は定役に服さなければならない、というものです。

しかし、例えば懲役の刑に執行猶予が3年付いている場合には,裁判が確定しても,被告人は直ちに刑務所に入れられてしまうということにはなりません。すぐに社会復帰することができます。そして、3年の間、罪を犯さず、猶予の期間を平穏に過ごしたときは、刑そのものが効力を失い,将来にわたって、まったくその刑の執行を受けることがなくなります。

これは、比較的に罪の軽い者が充分に自分の犯した罪を反省し、今後は真面目に生きたいと心に誓っているような場合には、刑の執行をする必要はないとの考えに基づいたものです。こういった人間を刑務所に入れてしまうと、勤めていた会社はクビになり、刑務所を出所後の再就職なども、一層難しくなります。自暴自棄になり、せっかく立ち直ろうとした決意が萎えてしまって、かえって前よりも重罪を犯してしまう危険もあります。こういった事態を避けるために、量刑が3年以下のものに限り、こうした制度が適用されています。

ただし、この3年間に、新たに別の罪を犯して、裁判で有罪となってしまうと、刑務所入らねばなりません。この場合、以前の罪の懲役2年に加えて、新たに犯した罪の刑も加算されますから、相当の長期間にわたって刑務所に収容され懲役刑に服さねばなりません。

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